ハッピーエンド
そのまま壁伝いにゆっくりと歩く。

カウンターの前で壁は途切れ、右手から上部につながる階段が姿をあらわした。

(応接室の中に階段?)

しかも妙に薄暗く不気味だ。

階段の奥に得体の知れない何かが潜んでいるような気配さえある。

しばらく躊躇したが恐る恐る階段を昇り始めた。

七段昇ったところから右回りになる。
回りながら上を覗き込んだ仲埜は思わず声を上げた。
「なっ!…何だこれは?」

階段は途中で終わっていた。

天井の1番上まで繋がったまま何処の部屋にも通じていないのだ。

呆然と立ち尽くした仲埜の肩に不意に手が置かれた。

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