ハッピーエンド
その透き通るような白い肌を見てしまうと自分の意志では視線を外せなくなるが、麻里の恐ろしいまでに澄んだ大きな瞳が自分にむけられると、何もかも見透かされて裸にされてしまいそうで怖かった。

隣に座る亜衣も悪くはないが、麻里と比べてしまうと女にさえ見えない。

(何歳なんだろう?)

それすら不明だ。葛西は多分50才前後ではないか?そのシャツのボタンが弾け飛ばんばかりの発達した筋肉は、貧弱な東慶介の首を一撃でへし折ってしまいそうだが、顔に刻まれた深い皺には彼の半生を物語っているようで哀愁すら感じる。

それに比べて麻里は全くの年齢不詳であった。

20代後半の妖艶な魅力を漂わせながら、女子中学生のような無垢であどけない雰囲気もある。


< 116 / 223 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop