ハッピーエンド
視線を合わさずに仲埜は言った。
イライラ感がさらに増し意味もなく男を殴り倒したい衝動にかられる。

「君の隣で寝ている女性は知り合いかね?」

階段を降りたところで仲埜は女を指差した。

「知りませんよ。でも結構イイ女ですよね」

沸き上がる怒りを抑えるように仲埜は大きく深呼吸をした。

最初から感じる妙な息苦しさがまだ消えない。

「おじさんも、もしかして拉致されて来たとか?」

「君もか?」

ある程度予想していたが仲埜は少し驚いて男を見た。

「じゃあ彼女もきっとそうだろうなぁ。起こしてみます?」
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