ハッピーエンド
死体を見慣れている仲埜でも慶介が田中を殴り殺したのは衝撃だったし平静を装っても内心は動悸が激しい。慶介は言うに及ばず亜衣までもが呆然自失状態の中、麻里の落ち着きは何なんだろう・・・そんなに修羅場を潜り抜けてきたというのだろうか?

眩いばかりの横顔を盗み見しながら仲埜は麻里の裸体を見損なった事が少しだけ残念だった。

田中が麻里を組み伏せようとする段階になれば、さすがに止めに入るつもりだったし、それ以前に葛西が発砲しようともしていた。しかし麻里本人はためらい無く本気で脱ごうとしていたような気がする。

(この子はどういう人生を歩んできたんだ?)

心に鉄の鎧をまとったこの不思議な美少女の存在が眩しくもあり怖くもなった。


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