ハッピーエンド
(やっぱり…)

「おじさんどいしたんですか?」

「見てみろ」

東を顎でしゃくりながらライターで火を点けた。

薄暗かった辺りが夕焼けのように赤く照らされ、木目の階段と壁が現れる。

「あっ…」

仲埜の肩越しに覗いた東も理解したようだった。

「そう、此処は地下室だ。だから窓も無いし妙な圧迫感もある」

階段が途切れた天井に現れた1メートル四方の溝を指でなぞりながら仲埜はため息をついた。

「これが地下室と上の部屋とを繋ぐ羽目板だろう」

しかし手で押し上げようとしてもビクともしない。
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