ハッピーエンド
「い、いや何でもない。その話はまた落ち着いてからにしよう。今は目の前の事を済ますのが先だ」

(司よ、すまんな。変なこと想像しちゃったよ)

「行ったら駄目ですか?」

「さっきも言ったろ?麻里ちゃんは待っていなさい」

諭すように言うと麻里も小さく頷いた。
とにかく葛西は息子の死について真相が知りたいだけである。
事故ならそれでかまわない。

ただ警察が言ったように息子が一方的に悪いというのは納得出来ないだけだ。

泥酔して猛スピードで反対車線に突っ込んだのなら、今まで自分は何のために息子を育ててきたと言うのだ。


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