ハッピーエンド
更に数字を押して行くと8桁入力した所で、それ以上は何を押しても反応が無くなった。

「おじさんエンターキー押してみたら?」

「エン…何だそれは?」

「その矢印のついてあるキーですよ」

そんな事も知らないのかと肩をすくめた態度に、殴り付けたいのを我慢して言われた通りにする。

その途端、壁掛け計算機からけたたましいブザーが鳴り響いた。
思わず手を引っ込め東の方に振り返る。
手を離したからなのかブザーは数秒で止んだ。

「君が押せと言ったから押したんだぞ!」

声を荒げる仲埜を嘲笑するように東は口を歪めた。


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