ハッピーエンド

「いまからです。仲埜さんの話を聞いたらドアを開けますから、もう少し我慢して下さい」

葛西の声に慶介は肩を落とした。薄目を開けた亜衣は黙って様子を見ている。

「では仲埜さん始めましょうか？今回私は拳銃を持ってきていません。脅して無理やり証言させるような事はしませんから正直に話してください」

そう言って葛西は両手を軽く上げて見せた。

「無用心ですね葛西さん。私と東君であなたを押さえ込んだらどうします？あなたはドアロックの暗証番号を死んでも教えないでしょうけど、ここの様子はモニターか何かで上で分かるって言ってたじゃないですか？あなたが開けたくなかっても上で待ってる彼女はあなたを助けようとすると思いますけど・・・葛西さん、あなたを殺すと大声で叫べば」