ハッピーエンド
「大丈夫でしょ。数字が違っていたからエラーで鳴ったんだと思いますよ。ブザーが鳴ったからって部屋に毒ガスが流れたりはしないんじゃないかな」

「エラーって何のエラーだ?」

「多分…その上へ繋がる扉を開ける為のパスワード」

「パスワード?…」

呆然と東を見下ろした仲埜は慌てて違う数字を入力する。
しかし何度試みても結果はむなしくブザーが鳴り響くだけだった。

「無理だよおじさん。8桁の数字の組合せって何通りあると思ってるの?そんなやみくもに押してみたって奇跡でも起こらない限り成功する筈ないに決まってるよ」

吐き捨てるように言いながら東は階段を降りていった。

残された仲埜は唇を噛み締めながら後に続く。

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