ハッピーエンド

「あなたの個人的な事をどうこう言うつもりは無い。あなたが不倫しようが法に触れるわけでもないし、ましてや私は警察官ではない。私が言いたいのは仲埜さん、あなたは何故、河中さんの血液検査をしなかったのかと言う事、絶対安静を盾に丸一日間警察を彼女から遠ざけたのかという事です」

「・・・」

今度は仲埜も絶句した。
この男は何処まで知っている？何処まで調べたんだ？うかつに口を開く事は出来なかった。

「事故当日の夕方、あなたは病院を抜けている。行き先は河中さんのマンションですか？それとも何処かで待ち合わせですか？とにかく仲埜さんは彼女と会っている。そしてレストランで酔ったあなた達は激しい口喧嘩をしている」

葛西は情報を一度には出さずにコマ切れにして仲埜を責めた。