ハッピーエンド
「誰かに・・・見られたかな」

「河中さんは気性の激しい女性だったようですね。貴方達は何度か口論する所を目撃されています。繁華街のバー、ホテルのフロント、そしてあの日は市内のレストラン」

仲埜は目を閉じて返事をしなかった。

「河中さんも飲酒運転だった。あのレストランが開店するのは午後6時。その時間からすぐに店に入って30分で出てきても周囲が気にならないほど口論する二人の体からアルコールが2時間で消えますか?」

「どうかな?」

開き直ったように仲埜は言った。ぶっきらぼうだが視線は葛西に向けられない。




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