ハッピーエンド

「分からない。そんなの俺に分かる筈が無い」

「そうでしょうか？河中さんは２７歳でした。写真で拝見しましたが髪の長い美しい人だった。これから楽しい事が沢山待っていた筈なのに、それを全て捨ててしまう程の事があったんです。交際していた仲埜さんが何も知らないのはおかしい」

「知らないんだ！俺は何も知らない・・・」

頭を抱えて叫ぶ仲埜を３人が冷ややかな目で見つめた。

まるで慶介達に取り囲まれて仲埜一人が責められているように見える。

「ところで仲埜さん、あなたは医者だ。当然医学には詳しいですよね？」

話題を変えた葛西に仲埜は動きを止めた。