ハッピーエンド
(しまった!)

一瞬の間を置いて仲埜は痛恨の表情を見せた。

「やっぱり覚えてたんですか?」

「い、今言われて思い出したんだ」

「あの時私は商談で海外にいた。今はもう全員に暇を出して居ませんが当時は4人の使用人が住み込んでいましてね、司が赤ん坊の時から私達に仕えてくれた人ばかりです。彼らなら息子の事をよく知っているはずです。食べ物の好き嫌い、今何に夢中になっているか、多分私よりも詳しかったでしょう。そんな彼らですから司の血液型は当然知ってます。彼らがA型と言ったのも分かる。司はA型でしたから」

「な、何を言ってるんだ?訳がわからない」

もう仲埜に冷静さは無かった。狼狽を体中で表現し激しい汗をかいている。

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