ハッピーエンド
「B型は私です。ここまで言ってもわかりませんか?」

仲埜はハッとした。口が半開きになり握り締めた拳が震えだす。

「そ、そんな馬鹿な・・・そんな事があるなんて」

「分かって頂けましたか?・・・骨髄移植には多岐に渡り一致しなければならない項目がありますが、そうそう全てのタイプが一致する人なんて双子じゃない限り可能性は低い。そこで白血球の型さえ合えばその他の項目には目をつぶって骨髄移植する事は少なくないんですよ。医者のあなたに講釈しても始まらないが、私と司がそうだった・・・司の体にはある一定期間本来自分が持っていたA型と私のB型の両方が存在する。そして時間の経過と共に司の血液型は骨髄の提供者である私の造血細胞によってB型になる・・・あの時は既に息子の体にはB型の血が流れていた」


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