ハッピーエンド
「まさか・・・まさか本当に」

「骨髄移植を受けたのは大阪の大学病院・・・仲埜さん、あなたの紹介ですよ?それを忘れてしまったのが命取りになるとは皮肉です・・・それともう一つ、自殺した河中さんの血液型はA型です。あなたは愛人である河中真喜子さんの血液も採取していたんです。そして使用人達に司の血液型がA型だと聞いたあなたは、それを利用した。アルコールが検出された検査結果をすり替えたんだ。警察に飲酒運転だと報告した司のデータは本当は河中真喜子さんの物だったんですよ。仲埜さん、B型の息子の検査結果がA型になっている・・・この説明が出来ますか?」
永遠とも思われる静かな時間が閉ざされた地下室を支配した。時計も何もない部屋には張り詰めたような静寂だけが息苦しいほどの濃密な時間を与えている。




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