ハッピーエンド
「許してくれ・・・」

悲痛な叫びだった。心の底から搾り出すような仲埜の小さな声が静寂を破った。

「河中さんは全て知っていた。自分が泥酔して司を死に追いやってしまった事を。そしてあなたがそれを隠蔽した為に全ての過失が司にかかってしまった事も」

「許してくれ・・・」

仲埜が同じ言葉を繰り返す。
慶介達は恐ろしいものでも見ているかの様な目で二人を見つめた。

「遺書はあった。自分のせいで人を殺してしまい、自分だけが何の咎めも無く生きている・・・河中さんはそれに耐えられなかった。彼女はあなたに殺されたような物だ。河中さんがそんな事をあなたに頼んだんですか?いいや、そんな事は決して頼んでいない筈だ。あなたが司と彼女を殺した!」

燃え上がるような憎悪の目で葛西は立ち上がった。
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