ハッピーエンド
「私はあなたが嘘をついていないでくれと願った。息子の事を覚えていて骨髄移植の事も分かっていると思った」

「許してくれ!よかれと思ってやった事なんだ・・・」

「許せだと?あなたが泥酔して帰ろうとする彼女にタクシーを呼んでいたら司は死ななかった。あなたが正直に本当の事を警察に言っていれば彼女は死ななかった。それでも許せと言うのか?許されると思っているのか?」

葛西が突然カウンターに置いてあったグラスを壁に叩きつけた。

うずくまっていた亜衣が激しく泣き出す

。亜衣の鳴き声を聞いた葛西の表情からスッと怒りの炎が消えたように見えた。

「ここに拳銃を持ってこなくてよかった。あれば躊躇なく私はあなたを射殺していたでしょう・・・」

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