ハッピーエンド
思考が麻痺して今、目の前で繰り広げられている事が現実とは到底思えない。

「司の体からあの薬が出たら私が疑われる。お客さんから貰った珍しい薬だからね・・・実はねコーヒーに薬入れる所、人に見られちゃってさ、その時は白血病の薬だって誤魔化したけど・・・でも危険でしょ?検査されたら」

慶介はこれ以上は開かれないほど目と口を開けて固まっている。

亜衣は死んでしまったかのようにピクリとも動かなかった。

「まあ、いいわ。それに多分だけど、おじさん遺書か何か書いててくれた筈だから・・・だといいんだけどね」

劇鉄を起こす金属音に仲埜は我に帰った。恐怖で脇の下に冷たい汗が流れる。


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