ハッピーエンド
そんな亜衣に対して洋平達は暴力で返事をした。
もともと子供との付き合い方がよくわからない二人だったのかもしれない。

洋平に蹴られて泣きながら小枝子のもとに向うと今度は小枝子に頬を殴られた。

血が滲むほど、時には痣が何日間
も消えないほど殴られ救いの無い毎日のようで、それでいて亜衣は殴られる瞬間だけが両親を自分に振り向かせている気がして自虐的な幸せを感じた。

今のオドオドして終始他人の顔色を伺うような性格はこうやって形成されたのかもしれない。

はるか前を歩いていた愛する父と母は自分を殴る時だけ数歩戻ってくれるのだ。

幼い亜衣には他に二人に対する接し方が分からなかった。



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