ハッピーエンド
やがて亜衣も成長していくにつれ少ないながらも友人が出来、洋平達の暴力も減少した。
彼らは自分達の教育方針によって亜衣が正しく育ったと確信しただろう。

高校を卒業して新宮市内の大学に通うにあたって亜衣は一人暮らしを決断した。

反対すると思った洋平達はそれをあっさり許可した。

自分達に迷惑さえかけなければ、それ以上を亜衣に望んではいなかったのである。

新しい環境で新しい自分に生まれ変わる。積極的で明るい人間になり両親に認めてもらう。それが亜衣の決意だった。

しかし全てが空回りした。興味もないのにテニスサークルに入り努めて明るく、集まりがあるときは必ず顔を出した。


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