ハッピーエンド
「まじ?俺蓮尾さん居ないの気がつかなかったよ」

「影薄いなあ」

仲間達の大きな笑い声に包まれて亜衣の顔からゆっくりと血の気が引いていった。

「でも居ても居なくても一緒なのにさあ、やっぱり大親友の美穂ちゃんには今日はいけないの、って相談するんだ」

同級生だが1浪しているので年上の窪上が、亜衣の声色を真似たつもりか妙な裏声でみんなを笑わす。

窪上は笑うと白い歯が眩しい、日に焼けた好青年だ。
特定の彼女は居ないが、よくもてて亜衣もひそかに憧れの気持ちを抱いていた。

事実、窪上にお茶に誘われた事もあったのだ。

「やめてよ窪上君、あの子どうしてだか私の周りばっかり付いてくるのよ」
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