ハッピーエンド
大げさではあるが慶介にとっては、それからの1年間をどう過ごせるのかの分岐点なのだ。

でも何時も上手くいかない。

明るく陽気で、でもいざとなれば男らしく強い。

そんな嘘で塗り固められたメッキは1週間もしないうちに剥がされた。

本当の慶介は臆病で卑屈、一人の時はあれこれ想像しても他人の前に出ると何にも言えない、およそ男らしさからは離れた人間だ。

慶介と亜衣は互いの事は知らなくても同種の人間であった。

今の時代に何が男らしさと言えるのか分からないが、少なくとも異性に好意を持たれるタイプではない事ぐらい自分でも分かっている。

そして当然のように同級生からイジメにあう。

< 38 / 223 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop