ハッピーエンド

それを見て男は立ち上がり、机の上にあった封筒を手に取り部屋の外に出る。

外では初老の男２人と中年の女２人の計４人が看護士を取り囲み今にも掴みかからんばかりの勢いで何やら叫んでいた。

看護士の原田が男の顔を見て助けを求める。

「せ、先生、何とか言ってやって下さい、私が何を言っても・・・」

「先生、お願いだ、坊ちゃんを助けてくれ！旦那様の留守中にこんな事に・・・私らの体、全部使ってもかまわないから」

白髪の男が嗚咽しながら医師の服を掴む。

「私からもお願いします、命だけは助けてやって下さい、坊ちゃんはＡ型だ、私と小山内さんもＡ型だから・・・だから私の血を全部坊ちゃんに使って下さい！」