ハッピーエンド
「あれから半年か・・・」

「そうですね。あっという間でした。」

「そうかね?俺は長かったような気がするよ。こんな長い時間がたっても未だ想ってもらえるなんて司は幸せ者だ」

空になったグラスを見つめながら呟く。

「本当はもうどうなってもいいという気持ちも少しあるんだ。何がどうなっても司は帰ってこない。虚しいだけだ・・・でも・・・でもそうしたら俺は残り少ない人生が終わろうとする、その瞬間が来た時に、この世に何も残してない事に愕然とするような気がするんだ」

男の言葉に女は黙って耳を傾ける。





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