ハッピーエンド
「人間は必ず死ぬ。どんな金持ちもどんな境遇にあっても平等に死ぬ。だから皆、生きている間に何を残し、そしてどういう風に死ぬかを決める為に生きているんだと俺は思うんだ・・・後ろ向きな考え方だがね」

「いえ・・・私も少しはそう思います」

「だから俺は、あいつに非があった事を蒸し返す事になろうとも、息子が死んだ真相を明らかにする。これが俺が生きている間に残す最後の事だ。その後はきっち罪はつぐなう」

「私も知りたい・・・私にも手伝わせてください」

女の言葉に何かいいかけた男は、それが何にもならない事を悟って口を閉じた。

「分かった。でも麻里ちゃんの行動は俺に強制されての物だったと言いなさい。それと指紋を残さないように手袋をする。それが条件だ」
< 60 / 223 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop