ハッピーエンド
「・・・分かりました。約束します」

隅に転がった寝袋がモゾモゾと動いた。

「うなされてるみたいですね」

「そうだな・・・可哀想な気もするが協力してもらわなくちゃならない。彼に非が無い事が分かれば全財産をかけてでも俺は償う。だが・・・だが彼に責任が少しでもあれば・・・」

「あれば?」

「死んでもらう。俺は金なんかもう欲しくない。命で償ってもら・・・」

燃えるような瞳を震わせながら握り締めた手の中でグラスが砕けた。
外見から見える年齢とはかけ離れた凄まじい腕力だ。





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