ハッピーエンド
写真の中では満面の笑みを浮かべたセーラー服姿の自分と若い男が寄り添って立っていた。

「遊園地・・・楽しかったね司」

写真の中の自分達は確かに幸せだった。
もうそんな幸せが来る事は二度とない。

物心がつかない時に両親を事故で無くした麻里は写真でしか父や母の顔を知らない。

港に車でダイブしたという事故ではあるが、真相は自殺である事を15歳の時に施設の寮母から聞いた。

自殺だろうと事故だろうと死んでしまった者に対する感情は無い。ただ身寄りの無い麻里にとっては生きていく事が全てだった。






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