ハッピーエンド
仲埜にはそれが苦痛だった。

まるで無言で責められているようだ。

言いたい事があれば言えばいい。
それを決してしない妻が腹立たしくて仕方なかった。

そんな家庭だから仲埜が外に女を作っても仕方ない…そう自分に思い込ませてきた。

女は27才

市内の旅行会社に勤めていた髪の長い美しい女だった。

今となっては過去形である…。
自分が敵を作るとすれば彼女が原因としか思い当たらない。

まさかあんな事に…


ようやく頭部の痺れがうすれてきた仲埜は犬が水をはじくように顔を左右に振った。


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