ハッピーエンド
白髪で初老とも言える風貌だが恐ろしく逞しい体をしている。肩にはモゾモゾとうごめく銀色の寝袋のようなものを抱えていた。

見た所かなりの年配に見えるが、光り輝く剥き出しの生命力が３人を圧倒する。

男は３人の顔を見回してから満足そうな笑みを浮かべ、肩にかついた寝袋をそっと足元に置いた。

続いて階段から一人の女が現れる。

黒いデニムにゆったりとした男物のような白いシャツ、ベージュのリュックを背負い、それに何故か白い手袋をしている。

後ろで慶介が息を飲むのが分かった。

男の斜め後ろに立つ女は、少女と呼んでもいいぐらいのあどけなさの残る顔立ちで、慶介同様に仲埜も思わず目を見張るぐらいの美少女だった。


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