ハッピーエンド
「な、なんで・・・」

ただでさえ白い慶介の顔が真っ青になる。

「葛西さん・・・あなたが私たちの事を知っているのはかまわない。ここにいる東君が空手をやっていようがどうだろうが関係ないが、彼の言ったように男は3対1であなたの方が不利だと思うんだが」

仲埜は努めて冷静に話した。葛西というこの初老の男の意図が全く見えない。傍らに立つ麻里という美少女も何も喋らずに不気味だ。

「今度の事を計画したのは私ですよ、仲埜さん。あなたの指摘する事を気にしない程、私は馬鹿ではない」

言いながら葛西はズボンのポケットに入れたままだった右手をゆっくりと出した。

「・・・!」


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