ハッピーエンド
「もうお分かりでしょう、あなた達4人は事故の目撃者です。私は事故をもう一度蒸し返したい。あの時私は商談で海外に居た。どうしても抜けられず1週間たって帰国した時には息子は既に灰になっていたし、事故も息子の一方的な過失で解決している」

「正確に言うと私は事故の目撃者ではない。あなたの息子さんの遺体を検死した医者だ」

仲埜の言葉に葛西の声が被さる。

「ええ、分かっています。あなたは総合病院の院長だが小さな田舎町では法医学の先生なんて偉い人はいない。だからあなたの近辺で変死体があった時はあなたが警察に頼まれて検死を行っている事も知ってます。そしてあなたが司の血液を採取し息子が飲酒運転だったと断定した事も」




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