ハッピーエンド
「でも検死したのは3年振りの筈です。仲埜さんは覚えているでしょ?焼け爛れた息子の体を」

「全部調べているのか?ご苦労な事だ」

田中が吐き捨てるように言った。

亜衣には少しだけこの老人が哀れに思えた。
確かに自分は事故のあった道路に面したマンションに住んでいる。

事故も偶然目撃した。だったら知っている事を全部話せば此処から出してくれるのではないか?それなら田中のよう葛西を刺激せず早く終わらせて欲しい。

「では誰から行きましょうか?東君、きみから話を聞かせて下さい」

慶介が弾かれたように立ち上がった。

「おじさんは疲れたでしょ?私がそれを読みます」


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