ハッピーエンド

「いいんだ。これで何かが変わったわけではない。警察が誘導したと言う事は、他にもそれだけの確証があるという事なんだ。君は事故直後、防風林に突っ込み炎上している車と、反対側のガードレールにぶつかった車を見たんだ。司の車は海沿いを走っていたのでは無い。それが海側の防風林に突っ込んでいたら誰だって反対車線を走ったと考えるさ」

葛西は酷く疲れたようだった。

「おじさん、大丈夫？顔色が悪いわ」

「何ともないさ。それより食事にしよう。彼らも疲れている。続きは食べてからにしようじゃないか」

二人の会話を耳にしながら慶介は一人小さくうずくまる。

「ごめんなさい、ごめんなさい・・・」

と呟きながら。