きっかけ、クリスマス。
幸せ
―――――――
「…ただいま!」
「え…?」
靴を脱ぐのももどかしく、奥にいるはずの妻と子供に声をかける。
驚いた様子の妻に笑いかけ、走って来た我が子を抱き上げた。
「おかえり、パパっ!」
あぁ、ただいま。
遅くなってごめんな、いつも遊んでやれなくてごめんな?
パパは帰って来たよ。
君のおかえりと、ママのびっくりする顔を見るために帰って来たんだ。
「どうして…」
困惑したような問いかけに、上着を脱ぎながら俺は苦笑いを浮かべた。
「走った。」