自己中彼氏
でもさっきの新事実で私の体は動けずにいた。







いわゆる硬直というものだ。







「ねぇ、村澤君!」







真美は春人の後ろにいた村澤君の
手を引いてどこかへ行ってしまった。






「村澤達も行ったし俺らも行こうぜ」




「う……うん」





何とか動いたその体はぎくしゃくしていた。





「村澤貰えたなかなぁ?」






「何を?」






「チョコを」







チョコ。
その言葉はきっと私には違う意味で
頭に入ってくるのだろう。



春人はチョコが嫌い。
だからあげても無駄だ。



そんな意味として――。



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