自己中彼氏
キーンコーンカーンコーン――…







校内に響くこの鐘の音は俺が心待ちにしていた音。









「あのさ、春人……」






「ごめん。俺急ぐわ」







村澤の言葉を遮って、俺は校門へ急いだ。







運動場の砂を踏む足が軽やかに感じる。



いや、実際に軽やかなんだ。






由香っ!!


由香が校門の門にもたれかかっている。




「ゆ~か!!」





由香の目の辺りを手で覆う。





「わっ!!!」



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