自己中彼氏
間抜けな声を由香が出す。



「だ、誰!?」





「だぁれだっ!!」




「あ、わかった。春人でしょ?」




「正解~♪」




そう言って俺は、覆っていた手をどける。




「もう、びっくりしたぁ」




「ははっ」





俺達は、学校を出て、歩き出す。




「どこ行く!?どこ行く!?」




子供のようにハシャギながら、俺の手を引っ張る。




とりあえず俺達は、一軒の喫茶店に入った。





「春人と放課後デートって久しぶりじゃない?」





由香が赤いチェックのマフラーをほどきながら言う。



「そうかぁ?まぁ、色々と忙しかったからな」



そう言って、メニューへ視線を移す。




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