自己中彼氏
茶色い大きな扉が開け放たれ、光が差し込むと同時に、由香が出てきた。

赤い地面を歩く由香。

隣には、由香の父親。

必死に涙を堪えているのがわかる。


本当に、由香を愛しているんだな。


だから、僕の由香を心の奥の底から、由香を愛します。



「永遠に一緒にいることを、誓いますか?」


牧師さんの言葉、2人同時に言った言葉。


「誓います」


力強くて、迷いなんて、なかった。


「では、誓いのキスを……」


由香の顔にかかっている、レースを上に上げる。


そして、


俺は由香の唇に自分の唇を重ねた。





いつの間にかこんなに好きで



いつの間にかこんなに愛していて。




胸が破裂するぐらい“好き”が止まらなくて。


だから、


僕は由香のことを、心から愛すことを、誓います……


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