月物語2 ~始まりの詩にのせて~
翌朝、礼は武則天のもとを尋ねた。
天界の真実を確かめなければならない。
来るのを待ち構えていたように、礼はすんなり通してもらえた。
「土の君様。」
武則天は、不思議なくらい穏やかな顔をしている。
「真実を、天界の真実を教えてください。」
そう言うと、武則天はあからさまな困惑を浮かべた。
―うぐっ。
綺麗な顔でその表情をされると押しづらい。
だが、礼は空気を読めと言われても、絶対に引き下がれない。
それだけのものを、“向こう”に置いてきた。