月物語2 ~始まりの詩にのせて~
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朱雀と礼が扉の前に立つと、杜廷尉の声が扉を射抜いた。
礼の肩が、ぴくりと揺れる。
礼は緊張している、と朱雀は思った。
―さすが杜廷尉。
気配でわかるのか。
衛兵が苦笑いしながら、扉を開ける。
朱雀は、そっと主の背を押した。
「これはこれは主上。
お待ち申し上げておりました。」
獅子は、ある程度話を付けてくれていたらしい。
すぐに、張湯のもとに向かうことになった。