月物語2 ~始まりの詩にのせて~
王殺しは一家丸ごと処断される。
しかし、張湯は本当の兄弟ではなく、寧ろ被害者だった。
義弟の劉巾は、殆ど関わりがなく、王と朱雀を助けている。
甘い。
普段ならそう言うが、杜廷尉も王殺しの現場にいて、調べたいことがあった。
今回の事件にはあやふやなことが多すぎる。
真相を知るために、張湯、彩夏、宋春は、生かしておきたい。
王ならば、この三人をどうにかできるかもしれない。
だが、それとこれとはまた別の話で、鍵を奪われるようなことはあってはならない。
今、鍵は朱雀が持っている。
まだ、怪しくない。