月物語2 ~始まりの詩にのせて~
「ならば都合がいい。
向こうが確信がない方が、こちら側が疑われずにすみます。」
東苑が唸った。
他に、誰も手は浮かばなかった。
「いちを、俺しか知らねーってことになってるから、遣いにはその作戦は俺が伝える。
なるべく皆動くなよ。
おそらく決起は二日後だ。」
「俺はそのつもりで動きます。
絶えず天を読み、祝融様が術を発動したら、すぐに向かいます。」
「わかった。
暫くは、解散だ。」
「彩夏殿のこと、よろしく頼みますよ。」
平当が不安げに言う。
東苑は、最後まで唸っていた。