月物語2 ~始まりの詩にのせて~
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―よし!
空だ。
劉巾はほっとした。
牢はすでにもぬけの殻だった。
「探せ!
城外に逃すな。」
意外にも口は、すんなりと演技をしてくれる。
外へ出ると、王を探す隊が組まれていた。
かなりの人数だ。
朱雀がいないことも気づかれたのだろう。
暫くして、獅子に捕まった。
花英という男はもういない。
「ちょっと、俺の命も助けてもらうぞ。」
そう言うと、獅子は劉巾を抱えて駆け出した。