月物語2 ~始まりの詩にのせて~



人気のない街道沿いの森で、馬を降りた。



王がどう降りようか戸惑っている。



「暫くそのままで。
私が手綱を曳きます。」



王は小さく頷くと、背筋を伸ばした。



初めての乗馬とは思えない。



王以外は馬を曳いて歩いた。



伯升が先頭を歩き、朱雀を挟む形で進んでいた。



朱雀の背は、何か言いたそうだ。



だが、こればかりは耐えてもらうしかなかった。



街には行けない。



朱雀当人もわかっている。



そろそろどの町にも手配は回っているころだろう。



「野宿をいたします。
お二人には、耐えていただかねばなりません。」





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