月物語2 ~始まりの詩にのせて~
王は言葉で解る人だ。
そう思ったから、直接的な説明をした。
「当たり前だろ!」
伯升が吐き捨てるように言った。
張湯が咎める視線を投げると、そっぽを向いた。
「街には手が回っているでしょう。
食料は何とかします。
お口に合うかわかりませんが、体力を消耗しているでしょうから、食べていただきます。
もし、我慢ならぬというのなら、私を打つといいでしょう。
しかし、それでも耐えていただきます。」
王がきょとんとした。
「どうして?」