月物語2 ~始まりの詩にのせて~
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おかしい。
ここはどうもおかしな場所だ。
彩夏は暗い牢屋から連れ出された。
獅子に担がれ、脱獄のような気がして暴れた。
その後のことはあまり覚えていない。
気がつくと誰かに負ぶさられていた。
今一緒に暮らしている老人のようだった気もするが、それは有り得なかった。
もう百才を越えようという老人なのだ。
なぜ自分はこんな場所にいるのだろうか。
何も考えたくない。
とにかく脳の活動を停止させた。