月物語2 ~始まりの詩にのせて~
王の機嫌が治った。
しかし、伯升も意外なことをする。
「明日は、ここから迂回して山中を歩くしかないようです。」
伯升がどこからか手に入れた地図を出した。
「山中の道は厳しいが、主上も大分馬を乗りこなすようになられましたから、耐えていただかねばなりません。」
王は笑顔のまま頷いた。
人形の胴と首はとれるようになっている。
王は中から飴を取り出して食べていた。
「伯升、地図はどこで手に入れたのだ?」
「この先に、血死軍が拠点としている妓楼があります。
そこで。」
「人形も?」
「あれは、町で買って来たんですよ。
見つからないように一苦労しましたよ。
王もまだまだお子様だな。」
何だかんだで伯升も気にしていたのだ。