月物語2 ~始まりの詩にのせて~


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王は無事だろうか。



怪我などされてはいないだろうか。



「陽春、お前は見守っているか。
役目は当分終わりそうにないな。」



花英は空に一人ごちた。



星が返事をするかのように瞬いている。



陽春は縊死した。



親友だった。



陽春は体術が得意で、自分は馬が得意だった。



二人でよく教え合った。もう陽春はいない。




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