月物語2 ~始まりの詩にのせて~
獅子は部屋を出た。
すでに、準備は出来ている。
もともと城を抜け出すつもりだったのだ。
だが、上司を一人にすることに不安があった。
王宮内で起こった殺人事件は完全に解決したわけではないのだ。
まだ知らぬ火種が、どこかにある。
杜廷尉は、自分の身は自分で守るだろう。
それも、火種を持った人物が、彼女の能力を上回らない限りはだ。
―後は、じじぃ共に任せるしかないか。
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