月物語2 ~始まりの詩にのせて~
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「明道殿、お加減はいかがですか?」
花英は明道に白湯を渡した。
王に明道の世話を頼まれた。
自分は見舞うことすら叶わないだろうからお前に頼む、そう王が言った。
明道はかなり回復していた。
一週間眠り続けたが、急に目覚めたかと思うとみるみる生を取り戻した。
明道は人とは思えぬことをやってのけた。
そんな力を引き出させた二人は一体どんな人物なのだろうか。
噂だけは耳にする。
明道は穢れのない男だった。
話が出来るようになると、色々なことを聞かせてくれた。
この国はどこかおかしい。
それがよくわかった。